2018-04-05 不可能 余るほどお金がたくさんあって、背がすらりと高くて、顔も肌もまるで綺麗で、声には透き通るような凛々しさがあり、疲労の色もまるでない若さだけが、この世界で唯一正しいかのように思えて仕方がない。というまるで19世紀フランス文学の呪いが未だに解けていない、21世紀に生きる、あわれで、凡庸で、無分別なアジア人の滑稽な人生の一ページにふと、ひとしずくの涎(よだれ)が。